Cargoを使う(Rustのプロジェクト)

RustのビルドシステムであるCargoを使ってみます。前回は、rustcを使ってコンパイルしましたが、実際にはCargoを使って管理することが多いと思います。この記事では、Mac環境上で紹介していきますが、Windowsでも同様かと思います。

プロジェクトの作成

プロジェクトを作成するには、適当なフォルダに移動し、「cargo new」コマンドを実行します。たとえば、以下のような感じです。

これで、ホーム下に、「sample_proj」という名前のフォルダが作成され、その下に必要なファイルが作成されます。

cargo new の次に、プロジェクトの名前(主にフォルダ名)を、その次に、実行可能ファイル用のプロジェクトを作成するために、「–bin」をつけています。

cargo new を実行した直後のディレクトリ構成は以下のとおりです。

Cargo.tomlには、プロジェクトの設定が、srcフォルダ以下には実際のソースファイルが保存されます。main.rsは、cargoが自動的に作成してくれたものです。

ビルド

プロジェクトをビルドするには、作成したプロジェクトのフォルダへ移動し、「cargo build」コマンドを実行します。

ビルドが成功すると、「target/debug」下にプロジェクト名の実行可能ファイルが作成されます。

リリースビルド

リリースビルド(最適化オン)を行う場合は、「–release」オプションを付けてbuildコマンドを実行します。

ビルドが成功すると、「target/release」下にプロジェクト名の実行可能ファイルが作成されます。

ビルドと実行

buildコマンドを実行後、「./target/debug/sample_proj」を実行すればよいのですが、少々手間です。cargoには、ビルドと実行を一度でやってくれるrunコマンドが用意されています。プロジェクトのフォルダに移動し「cargo run」コマンドを実行すると、ビルドと実行を一度にやってくれます。

クリーン

「cargo clean」コマンドを実行すると、target以下を削除してくれます。

まとめ

Cargoの使い方を表にまとめます。

cargo new [プロジェクト名] –bin 実行可能ファイル用のプロジェクトを作成
cargo build デバッグビルド
cargo build –release リリースビルド
cargo run ビルドと実行
cargo clean target以下を削除